公益財団法人川喜多記念映画文化財団

千代田区一番町18番地 川喜多メモリアルビル

川喜多賞

第21回川喜多賞
山田洋次氏 映画監督


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●選考理由
 山田洋次氏は、昭和36年の第一作「二階の他人」以来、平成14年の「たそがれ清兵衛」まで76本の監督作品を送り出されました。身近な笑いを追求しながら、普通の人々の生活と、その哀歓をきめ細かに描く地道な作風は、広く支持者を集め、「男はつらいよ」シリーズ全48作という前人未到の偉業に結実しています。渥美清さんが演じて“寅さん”という愛されたキャラクターを生み出したこのシリーズは、その時々の実力と人気を兼ね備えたスターをゲストに迎え、失われて行く美しい日本の風景をフィルムにとどめ、時代の貴重な記録となりました。4作を数えた「学校」シリーズも、未来を見据える重要な企てでした。そして、最近作「たそがれ清兵衛」では、初めての本格時代劇に取り組まれ、見事な成果を上げられました。今日、日本映画を代表する映画作家を語る時、この人の名前は欠かせない、大切な存在です。映画産業が経済的な衰退を来した、決して幸福とはいえない時代に、長年にわたって斬新な表現に心を砕き、作品の芸術的水準を保つべく重ねられたそのご努力に深甚なる敬意を払いつつ、「川喜多賞」をお贈りいたします。

      

贈賞式の模様(2003年7月25日)


賞状をお受け取りになる山田洋次監督


お祝いに駆けつけた三崎千恵子さんと山田監督




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