カンヌ映画祭
   Festival de Cannes
  2007/5/16-27

 COMPETITION OF FULL-LENGTH FEATURE FILMS
Grand Prix 窶錀 Crystal Globe
 Jar City (Myrin), Iceland, Germany, 2006 
  
Dir: Baltasar Kormakur

Special Jury Prize
 Lucky Miles, Australia, 2007
   Dir: Michael James Rowland

Best Director Award

 The Art of Negative Thinking, Norway, 2006
   Dir: Bard Breien
Best Actress Award

 Elvira Minguez for the film Pudor, Spain, 2007

Best Actor Award  Sergey Puskepalis for the film Simple Things, Russia, 2006
Special Mentions  Leonid Bronevoy  
   for the film Simple Things
, Russia, 2006
 Zdenト鬀k Svト孑ak  for the script of Empties,
   Czech Republic, United Kingdom, Denmark, 2007
DOCUMENTARY FILMS IN COMPETITION

BEST DOCUMENTARY FILM
(under 30 minutes long)

 Artel, Russia, 2006  Dir: Sergey Loznitsa

 
SPECIAL MENTION
  
Theodore, Latvia, 2006  Dir: Laila Pakalnina

BEST DOCUMENTARY FILM
(over 30 minutes long)

 Lost Holiday, Czech Republic, 2007  Dir: Lucie Kralova

 
SPECIAL MENTION
  The Mosquito Problem and Other Stories,
     Bulgaria, 2007
  Dir: Andrey Paounov
 EAST OF THE WEST AWARD
BEST FILM

 Armin, Croatia, Germany, Bosnia and Herzegovina, 2007
  Director: Ognjen Sviliト絞ト蜀

SPECIAL MENTION  The Class, Estonia, 2007  Dir: Ilmar Raag
OTHER PRIZES AWARDED AT THE FESTIVAL

AWARD FOR OUTSTANDING
ARTISTIC CONTRIBUTION TO
WORLD CINEMA

 Danny DeVito, USA
 
Bナ册tislav Pojar, Czech Republic

PRAVO AUDIENCE AWARD

 Empties, Czech Republic, United Kingdom, Denmark, 2007
    Dir: Jan Svト孑ak

 NON-STATUTORY AWARDS
AWARD OF INTERNATIONAL FILM CRITICS (FIPRESCI)  Simple Things, Russia, 2006  Dir: Alexey Popogrebsky
THE DON QUIJOTE PRIZE
(FICC 窶錀 International
Federation of Film Societies)
 Jar City, Iceland, Germany, 2006  Dir: Baltasar Kormakur
THE ECUMENICAL JURY AWARD

 Simple Things, Russia, 2006  Dir: Alexey Popogrebsky

 
SPECIAL MENTION
  
Conversation with My Gardener, France, 2007
   
Dir: Jean Becker

CZECH TELEVISION AWARD
窶錀 INDEPENDENT CAMERA
 Pingpong, Germany 2006  Dir: Matthias Luthardt
NETPAC AWARD  The Band's Visit,  Israel, France, 2007  Dir: Eran Kolirin
*日本からの出品作品はこちらから



メイン会場Thermal前


007シリーズにも登場したGrandhotel Pupp


現地では温泉は飲むもの

カルロヴィ・ヴァリ国際映画祭は、今年で42回目を迎えた、東欧で最も著名な映画祭であり、第1回は第2次世界大戦直後の1946年に遡る。現在では毎年220以上の長編と40余りの短編映画をチェコの観客に贈り続けている。プラハから120km、ドイツとの国境に近い山間の街だ。Karlovy Vary(英語ではCarlsBad)とは、14世紀にここに温泉を発見したカレル4世の名をつけた文字通りカレルの温泉。ヨーロッパ中にその名を知られる温泉保養地であり、日本の草津市と姉妹都市であるとのこと。Tepla川沿いに温泉施設(コロナーダ)やスパホテルが立ち並ぶ中、療養中の人や観光客に混ざって、映画祭のパスを下げた人々が行き交っていた。メイン会場であるThermalはホテル機能もある複合施設で、メイン上映会場を含め6つのスクリーンが設置されていた。また、映画祭事務局やFilm Industry Office、インターネット設備やPress & Industry Screenings会場もここにおかれ、映画祭ゲストをサポートする要となっている。オープンテラスでは昼食会が開かれ、映画人の交流の場としても機能していた。Thermalはヨーロッパらしいロマンティックな街並みの中で異彩を放つ近代的建物だが、もうひとつの映画祭の拠点であるGrandhotel Puppは重厚な欧風の外観が目を引く由緒あるホテル。ここでは映画上映の他、各国のFilm Nightと称して国ごとに特集イベントも開催されていた。

前年の11日以降に作られ、他の国際映画祭のコンペ部門に選ばれていないことが条件となるコンペ部門では、14作品の長編劇映画が上映され、その内の12作品はインターナショナルプレミア、1作品はワールドプレミアであった。世界への玄関口となることも多いこのコンペ部門には、今年はヨーロッパ作品が数多く選ばれていたが、グランプリには、Jar City (Myrin)Iceland, Germany, Baltasar Kormakur監督)が選ばれた。

30分未満と30分以上に分けられたドキュメンタリーのコンペ部門の他、オフィシャルコンペ部門East of the Westとして中東欧(旧ソ連を含む)の17作品が上映された。

ベルリンやカンヌなど他の映画祭で評価された作品を積極的にとりあげるセクションHorizonや、作家性の強い作品やインディペンデント作品に焦点を当てた部門の他、今年は、カンヌ映画祭で話題となった作品をとりあげる部門Open Eyesが新設され、河瀬直美監督の『殯(もがり)の森』も上映された。



開演直前の会場入り口

カルロヴィ・ヴァリは若い観客も多いことでも知られている。大学の夏休みがちょうど始まる時期に開かれることもあるのだろう、チェコ国内外から何千もの学生が集まるそうだ。上映開始間際の会場入口付近は、空席待ちをする若者で一杯になる。チケットを持つ客の入場後に空席に座ることのできるディスカウントパスを購入しているのだ。真夜中のカルト系映画の上映時には、1200人入る大ホールが若者でほぼ一杯になり、観た後は、持参したテント用具で野営する姿も見受けられた。

チェコを始めとする中東欧の作品を数多く観られる機会であることも、この映画祭の特徴。主要部門にも多数選ばれている他、特集上映も組まれる。今回は、トルンカ作品のアニメーターとしても知られる、ブジェチスラフ・ポヤルの15作品が上映され、芸術的貢献に対してCrystal Globe像が贈られた。世界的に注目されるチェコアニメには、チェコの人形劇の伝統が感じられる。17世紀以降ドイツ語が強制されていたハプスブルグ家の支配時代は、チェコ語が使えたのは人形劇だけだったそうだ。かつて民族の文化の証だった人形劇のように、現代のアニメーションも大切にしている様子が観客から伝わってきた。隣の席に、ママに連れられた女の子が座っており、母親がシーンごとに小声で説明するのに頷きながら、スクリーンに見入っていた。

チェコ語の作品の内、聴覚の不自由な観客の為にチェコ語字幕をつけて上映された作品もあった。上映会場でも車椅子の観客の姿を頻繁に見ることもあり、サポートの充実している様子が感じられた。


松竹ヌーベルヴァーグ看板

日本映画は今回、14本上映された。現代日本映画の様々な様相を示す7本は、『殯(もがり)の森』の他、『無花果の顔』や『腑抜けども、悲しみの愛を見せろ』など。チェコの作家カフカの『田舎医者』をアニメ化した山村浩二監督作品も出品された。また、松竹ヌーベルヴァーグ特集として、1960年代前半の7本の松竹作品が上映され、篠田正浩監督がゲストとして招待された。250人収容可能の会場は見る限りいつも満員で、観客の高い期待と興味を感じさせられた。






      
映画祭情報トップページへ

Home | お問い合わせ| ©Kawakita Memorial Film Institute All Rights Reserved.