2007/5/16-27

New Currents賞  Kick Off  Shawkat Amin KORKI (イラク,日本)
 I'm in Trouble  SO Sang-Min (韓国)

Flash Forward  Last Cowboy Standing 
     Zaida BERGROTH (
フィンランド・ドイツ)
NETPAC賞

 Paju  PARK Chan Ok (韓国)

国際批評家連盟賞  Kick Off Shawkat Amin KORKI (イラク,日本)
PIFF Meccenat
(最優秀ドキュメンタリー)
 Earth's Woman KWON Woo-Jung (韓国)
 The Other Song Saba DEWAN (インド)
観客賞  LAN  JIANG Wenli (中国)
アジアン・フィルムメーカー賞  Yash CHOPRA (インド)
コリアン・シネマ賞  Riccard GELLI (イタリア) 
  *Director, Korea Film Festival in Florence

 Jeannette Paulson HERENIKO (アメリカ)

  
*President, Asia PacificFilm.com
*日本からの出品作品はこちらから



レッドカーペットの前でスターの登場を待つ人々

概観
 108日に幕を開けた14回目の釜山映画祭。自国の映画の振興を第一のテーマに掲げる釜山映画祭の今年のオープニング作品は韓国映画。韓国で劇作家兼演劇演出家など多方面で活動を繰り広げているチャン・ジン監督が演出し、いわゆる韓流スター、チャン・ドンゴンが大統領役で出演する「グッドモーニング・プレジデント」、同映画祭にしては意外なほどエンターテインメント性の強い作品ということでも話題になっていたが、祭典の幕開けを大いに盛り上げた。もともと韓国のスターたちが大挙して参加することで知られる映画祭であるが、今年は特にその傾向が強かったように思える。市民が自由に参加できるトークショーなどのイベントも多く、例年通り今年も市民の強烈な関心と熱気を感じた。スターをひと目でも見ようと大勢の女子学生たち(中には日本から来た中年女性たちも・・・)がホテル前で待ち受けていたりする姿は他の映画祭ではちょっと目にしない光景である。
 上映本数は70カ国の355本で、歴代最多数を更新した。ほぼ毎年のように何らかの新機軸を打ち出している同映画祭であるが、今年はアジア以外の地域で製作された作品を対象とした(1,2作目までが該当)‘フラッシュフォワード部門’(賞金:20,000USドル)が新設され、フィンランド・ドイツの合作映画が受賞に至った。
 どうしてもスターの来場等、華やかな部分ばかりが報道されがちな釜山映画祭であるが、特集上映にも常に力を入れており、映画ファンやプロの映画業界人も満足させるものにすべく毎年工夫を凝らしている。今回は香港映画界の巨匠、ジョニー・トー、イタリアのダリオ・アルジェント、最近逝去した韓国の人気女優チャン・ジニョンなどをそれぞれ特集した多彩なプログラムを展開。とりわけ注目は韓国-フィリピンの修好60周年を記念したフィリピンのインディペンデント映画の特集で、1950年代の作品から今年のカンヌ映画祭で監督賞を受賞したブリリアンテ・メンドーサ監督「キナタイ」までを網羅し、フィリピンインディペンデント映画の系譜を俯瞰できる特集であった。


上映会場の一つがある「新世界百貨店」の前
手前の赤いブースは、映画祭のチケット売り場

 折からの経済不況やいろいろな要因が重なったのだと思われるが、常連であった外国からのゲストが参加を見合わせたケースも少なくなかった。海雲台(ヘウンデ)と南浦洞(ナンポドン)周辺以外にも、昨年から加わったBEXCO(ベクスコ)地域に今年は「新世界百貨店」が建設されており、その中のシネコンがさらに映画祭上映会場として加わり、スクリーン数ではヘウンデエリアを上回るに至った。映画祭が完全に三極化したと言える。ヘウンデをベースにするとナンポドンへ行くのはほぼ諦めざるを得ないが、せめてべクスコエリアへは簡単に行き来したいものだ。シャトルバスも定期的に運航しているが、2030分前後で終了してしまうのは早過ぎた・・・。



日本からの出品作品 
 今年も各部門にまたがって、バラエティに富んだ日本映画のセレクションとなった。行定勲監督は「パレード」及び「今度は愛妻家」の二作品が上映され、両作品のメインキャストも来訪し注目を集めた。小林政広監督も「ワカラナイ」と「白夜」が、三池崇史監督も「ヤッターマン」と「クローズゼロU」がそれぞれ招待された。他の映画祭では同一監督の作品が二本出品されるという例はあまり見られないが、大らかな釜山の特質を表わしているともいえる。上映が決定した日本作品のうちほとんどの監督が来訪した。中でも松本人志監督、俳優の木村拓哉氏の参加などが日本のメディアを賑わした。
 ドキュメンタリー映画を支援するAND(アジアン・ネットワーク・オブ・ドキュメンタリー)が、映画祭に出品されたアジアのドキュメンタリーのうち、特に優れた2作品に対し韓国での配給を確約する賞、AND Distribution Fundを今年から設け、1本は海南友子監督の「ビューティフル・アイランズ」が選出された。


アジアン・フィルム・マーケット &PPP
 昨年同様、メイン会場至近のホテル、シークラウド・ホテルにて映画祭の半ばである11日から三日間開催された。マーケット参加者数は微増とのことだが、依然として同マーケットの置かれている状況は厳しい。特に日本の業者はすぐ後に控えている地元・東京のTIFCOMに向けての準備等のため、参加を見合わせる傾向がより強まっている。
 3回釜山映画祭開催時に立ち上げられ、数々の成果を挙げてきた企画マーケット、PPP(プサン・プロモーション・プラン)には今も注目が集まっている。PPPでは選出された30のプロジェクトに対し、出資者や共同制作者を募るにあたってミーティングの場の提供などさまざまな便宜を図るとともに、PPPの主旨に賛同する企業・映画祭・行政などによって、CJエンタテインメント賞、コダック賞、ロッテ賞、イエテボリ映画祭(スウェーデン)賞などが設けられており、それぞれ優れた企画に対して授与される。
 日本からのプロジェクトも数本含まれているのが常である。優れた企画と才能豊かな監督とプロデューサーに対して釜山市が授与する釜山アワード(賞金20,000USドル)は青山真治監督のプロジェクトに進呈された。
 近年の傾向では、PPPと類似の企画マーケットを持つロッテルダムやカンヌ映画祭の担当者の参加も多く、PPPでのプロジェクトがさらにそれらのマーケットに選ばれ、実を結んでゆくパターンを増えているという。




      
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