Kaleidoscope  vol.4
「日仏交換映画祭」 フランスにおける小津安二郎監督

 今や世界の映画人に最も愛されている日本映画監督と言っても過言ではない小津監督の名が海外に紹介された最初が、1963年6月から3ヶ月間に渡って、パリのシャイヨー宮のシネマテークで開催された「日本映画の回顧上映」でした。
 シネマテーク・フランセーズの事務局長のアンリ・ラングロワ氏が、川喜多かしこに「日本映画とフランス映画の交換上映をしよう」と話を持ちかけてこられたのが1955年のことです。
 1908年から1960年にかけての日本映画の代表作を揃えるために多くの方々が努力し、8年後の1963年に142作品の日本映画がパリで上映されたのです。この催しは、海外における初の本格的な日本映画の回顧上映となりました。
 『日本映画のヴェテラン中のヴェテランである小津監督を、フランスの映画評論家たちが「新発見」と驚嘆したことが回顧上映の意義を最も端的にもの語っている』と1963年11月から1964年5月まで国立近代美術館で開催された、日仏交換映画祭記念「日本映画の回顧上映」のパンフレットに川喜多かしこは書き残しております。どれほど素晴らしい作品も、観てもらえなくては評価されません。かしこにとっても小津作品がフランス映画人に受け入れられた嬉しい瞬間だったろうと思います。

各国の特集上映パンフレット
及び解説書

 
 1975年12月-1976年1月 EARLY OZU 
 イギリス/ナショナル・フィルムシアター

  
「若き日」(1929年)をはじめとする、初期の17作品を上映











  
  1971年
 Yasujiro Ozu
  フランス/マックス・テシエ氏 著

   小津監督についての研究書










 1979年 OZU YASUJIRO
 スイス/ロカルノ国際映画祭

  回顧上映を開催










 
 1982年 OZU
 アメリカ・ニューヨーク/ジャパン・ソサエティ

  「落第はしたけれど」(1930年)、「秋刀魚の味」(1962年)など
   34作品を上映














 
  1992年
 OZU
 イタリア/Dario Tomasi氏 著

  小津監督についての研究書










 
  1981年
 小津安二郎回顧
 香港国際映画祭

  回顧上映を開催し、17作品を上映








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