公益財団法人川喜多記念映画文化財団

千代田区一番町18番地 川喜多メモリアルビル

川喜多賞

第10回川喜多賞
宮川一夫氏 撮影監督


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●選考理由
 宮川一夫氏は、映画撮影監督としての経歴50年を越え、手がけた作品は140品以上に及んでおります。その間、たゆまぬ努力により稲垣浩監督の「無法松の一生」をはじめ、ヴェネチア映画祭で日本に最初のグランプリをもたらした黒澤明監督の「羅生門」、溝口健二監督の「雨月物語」などに卓越した撮影技術を駆使して、黒白撮影の妙をきわめ、日本映画の国際的声価を高めることに多大の貢献をされました。
 カンヌ映画祭でグランプリを受賞した衣笠貞之助監督「地獄門」では日本最初のイーストマンカラー撮影の一部を担当、世界を感嘆させ、その後も吉村公三郎監督の「夜の河」における絢爛たる色彩撮影、反対に色彩の華やかさを意識的に抑えた市川崑監督の「おとうと」など、常に新しい試みを目ざし、篠田正浩監督と組んだ「沈黙」以後の作品でも絶えず新境地の開拓に研鑚を続けておられるのは、後進の範とするに足るものであります。

      

授賞式の模様(1992年3月24日)


宮川一夫氏(左)と、賞状を読み上げる、川喜多かしこ前理事長(右)


固い握手を交わす、宮川氏と黒澤明氏(左は宮川氏夫人)




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