公益財団法人川喜多記念映画文化財団

千代田区一番町18番地 川喜多メモリアルビル

川喜多賞

第11回川喜多賞
飯島正氏 映画評論家


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●選考理由
 飯島正氏は、わが国の映画批評及び映画研究の先導者であり、また確立者であります。
 幅広い語学力による、世界の映画や文学に関する該博な知識は、処女作「シネマのABC」(1928年)以降、多数の著作に結実、執筆活動は70年に及んでおります。1930年代からは学校・大学の講師・教授として、映画学を学問の一分野として位置づけられ、40年近く直接後進を育成されました。
 60歳代に書かれた「前衛映画理論と前衛芸術」(1971年)は、文部大臣賞を受賞、早稲田大学から文学博士の称号を受けられました。70歳代には「ヌーヴェル・ヴァーグの映画体系」(1984年)の研究大著を発表、今春には1950年代から1980年代に執筆された内外の映画監督論「名監督メモリアル」が上梓されるとのことです。
 長い歳月にわたって真摯な研鑚を続けられた業績と、その影響力の大きさはわが国映画界の誇りであり、後進の範とするに足るものであります。

      



左より、飯島正氏、佐藤忠男氏、川喜多和子(飯島氏のご自宅にて)





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